●アルバムとしてのリリースは3年ぶりですが、今作『MASTER PEACE』はいつごろから準備していたんですか?
キヨシ:ずっと新曲は作っていたんですよ。ベストアルバム『1億3千万人が選ぶSABOTEN傑作集(再録)』を2014年4月にリリースして、それからレーベルと相談しながら、もともとはアルバムじゃなくて“できた新曲をYouTubeで発表していく”というような企画も考えていたんです。でも「アルバムで勝負しようぜ!」という結論になって。というか、レーベルのスタッフに急に怒られて(笑)。
●怒られた(笑)。
キヨシ:「ちょこちょこ細かいことやるんじゃなくて、勝負しなきゃだめでしょ!」って。逆に、僕らが言いたかったことを言ってくれたんです。
●ほう。
キヨシ:レーベルがそう言ってくれるんだったら、俺らはもちろんそれが本望だったので、じゃあアルバムでいきましょうと。そこから制作に入ったんですけど、僕ら3人とレーベルのスタッフとで相談しながら…できた新曲をみんなで聴いて判断してっていう。
●キヨシくんの場合、例えば“ライブで盛り上がるように”とか“このことを言いたい”みたいな、意図のようなものがあった上で曲作りに入るんですか?
キヨシ:曲にもよりますね。でも僕の曲作りは、発明家のパッとしたひらめきみたいなものが必要というか。1個でも根っこがあれば曲はできると僕は思っていて、その根っこが“ひらめき”だったりするんです。
●その“ひらめき”はメロディなんですか? 歌詞? リフ?
キヨシ:いや、どれでもないんですよ。出来事ですね。
●は? 出来事?
キヨシ:例えば、“すごい大自然の中で大雨が降って、そこで見たこともないような雷が落ちた”というようなことがあったとして、それが僕の中での“根っこ”なんです。それを体験することが。
●へぇ~。
キヨシ:あとは想像の中で、いろんな想像をずーっとしていて、行ったこともないような場所にポンと入ったこととか。それが曲のきっかけになるんです。
●だから“出来事”なのか。
キヨシ:出来事ですね。経験です。
●でもその“出来事”を音楽に変換しなくちゃいけないわけですよね?
キヨシ:そうなんです。それだけしかできないんですけど、僕はそれだけはできるんです。他はなにもできないけど(笑)、なにか出来事があったら、それをきっかけに頭の中で曲を組み立てていくんです。ギターを持って作ったらコード進行とかの制限があるので、ギターは持たずに。
●ということは、今作は9曲入りだから、言ってみれば9個の出来事があったと。
キヨシ:そうですね。でも候補曲は30曲くらい作ったんですよ。
●え? そんなに?
キヨシ:新曲を作って、メンバーとレーベルのミーティングに提出して、「これは今回要らんのちゃうかな」とどんどんNGを出されて、心が何度も折れましたけど(笑)。
●ハハハ(笑)。要するに、今回収録されなかった21曲分、心を折られたと(笑)。
キヨシ:はい。逆に“これは今回入らないんじゃないかな”と思いつつ持っていった曲が「これを形にしよう」という話になって、「え? マジで?」となったり。M-8「way zzz... way」なんですけど。
●「way zzz... way」はバンドの等身大を歌っていて、めちゃくちゃいい曲だと思ったんですけど。
キヨシ:「way zzz... way」のことを悪く言うつもりはないんですけど、“バリエーション的にこういう曲もあった方がいいのかな”って軽い気持ちで作ったんです。たまたまBUZZ THE BEARSのさとし(Dr.桑原智)が「FUNKY MONKEY BABYSのファンキー加藤さんと会った」みたいな話をしてて、それで“ファンキー加藤さんってどういう曲を作るんやろ?”と勝手に想像して作ったのが「way zzz... way」のメロディなんです。
●アハハハハ(笑)。
キヨシ:ネタとして、候補曲のバリエーションとしてはこんなのもアリやろって。そしたらそれが通ってしまった(笑)。だから衝撃的な経験があったとかいうわけじゃなくて、ちょっと特殊な曲ですね。
●ポップだし、確かに他の曲とはちょっと雰囲気が違いますね。
キヨシ:そうですよね。
●じゃあ例えば、今回MVにもなっているM-2「インターネットヒーロー」はどういう出来事があったんですか?
キヨシ:「インターネットヒーロー」は最後の最後に作った曲なんです。イントロも、Aメロのノリとか、サビのパーンと弾ける感じとか、今の人たちが読んだらハッとするような歌詞も…全部悩みましたね。
●勢いがあって、歌詞の内容は2015年の現代を斬るような鋭いもので、まさにパンチがある曲というか。
キヨシ:SNSに依存している現代人をディスっていうような歌詞ですけど、僕、インスタもTwitterもfacebookも全部めちゃめちゃやってます。毎日チェックしてるし、“フォロワーどうやったら増えるんやろう?”って考えるときもあります(笑)。
●ハハハ(笑)。
キヨシ:ある意味、リード曲にしようと思って作った曲なんですよね。いちおう曲は揃っていて、もともとは8曲入りくらいでもいいなと思っていたんですけど、「もう1つパンチが欲しい」という意見がレーベルチームから出て、それで作ったんです。僕ら的にはM-1「君がYO!」がリードでもいいかなと思っていたんですけど。
●ああ~、でも「君がYO!」は「インターネットヒーロー」同じくらい衝撃的でした。
キヨシ:ただ、歌詞がちょっと尖すぎるというか。政治的なことを歌っているし。
●なるほど。3曲目のM-3「liar rings」もそうなんですけど、特に頭3曲からは“怒り”みたいな沸々とした感情を感じたんですけど、そういう自覚はあるんですか?
キヨシ:もともと僕が聴いてきたのは、世の中に訴えるものだったり、自分の沸々とした気持ちを歌っていたり、“何かを変えてやる”みたいなものだったり…そういう音楽を主に聴いてきたんですよね。だからバンドをやる目的として、何かを変えたり、少しでも世の中を良くしていったりっていう部分があって。僕の少ない経験ですけど、その中で納得がいかないこととか、利益のためだけに動いている嘘つきに対する怒りだったり、そういうところを斬りたくなるんです。
●自分の視点や考え方が音楽に表れていると。
キヨシ:僕はたぶん、もともとそういう人間だったと思うんです。10代のときに音楽と初めて出会って“こういう表現の仕方があるんや”と知ったんです。そこは未だに変わらない。それがアルバム最初の3曲とかには結構出てるんじゃないですかね。
●うんうん。
キヨシ:結局、僕らの意見とか政治には反映されないじゃないですか。でも“待てよ”って思うんです。それが曲のきっかけになっていたりしますね。
●「君がYO!」とかはまさに歌っているそのままですね。
キヨシ:“僕みたいなちっぽけな者が”って思うんですけど、でも“ふざけんなよ!”って。それを歌にしたらどうなるんやろ? って作ったら、こんな曲になりました(笑)。
●なるほど。“ふざけんなよ!”と思ったことが、「君がYO!」を作るきっかけの“出来事”だったと。そういう意味では、M-3「liar rings」も怒りまくってますね。
キヨシ:怒りまくってます(笑)。きっかけはしょうもないことなんですけど、人と関わる以上は僕、“この人と出会って良かったな”と思ってもらえるような関係になりたいんです。
●はい。
キヨシ:そういう付き合いをしていたつもりだったのに、自分のメリットだけを優先する人もいるんですよね。それのなにが幸せなんかなって思うんです。僕はそういうことがほんまに許せなくて。
●その気持ちがそのまま曲になってると。
キヨシ:大人になってからそういうことを何度も経験して、“ふざけんなよ!”って。
●あ、怒ってる(笑)。
キヨシ:そいつの目ん玉引きずり出して、自分の姿見せたろかって思うんです。
●歌詞そのままだ(笑)。
キヨシ:気持ちがまったくない人とは関わりたくないんですよね。めんどくさいかもしれないけど、人と関わるからにはちゃんと関わりたい。僕はそういうタイプの人間だから、こういうことを思うのかもしれないですね。
●そんな中でM-4「1+1は1」は名曲だと思うんです。アルバムの頭3曲でめっちゃ毒吐いて斬りまくってきたのに、4曲目で急に…。
キヨシ:弱気になるという(笑)。
●そうそう。急にしんみりする(笑)。
キヨシ:まさにそうやと思います。僕はそういう人間やと思います。
●まあ前からSABOTENはそういうキャラクターですけど。両極端っていうか。
キヨシ:確かに。ヤッソーとか、急に怒り出しますからね。
●え? あのヤッソーが?
キヨシ:急にスイッチが入ったら止まらなくなるんです。普段は絶対に怒らないし、基本的には何も言わない仏のような男なんですけど、一旦スイッチが入ったら鬼になるんです。自分でも制御できないくらい。
●マジか(笑)。
キヨシ:でもヤッソーは動物好きという(笑)。サケがいちばん安定してるかな。
●でもサケは、かなり際どいところで安定してるように見えますよ。地面から3cmくらい浮いているところでずっと安定しているイメージ(笑)。
キヨシ:そうですね。でもサケはああ見えて、結構カンがいいんですよ。僕は話し下手ですけど、全部読み取ってくれる。
●その話の流れからすると、キヨシくんもオンとオフが激しいタイプ?
キヨシ:攻撃的な部分と、弱い部分があるっていうか。
●前から思っていたんですけど、SABOTENの曲を聴くたびに“これホンマに同じ人間が作ったんか?”みたいな、曲ごとのギャップを感じるんですよね。
キヨシ:現時点でSABOTENは僕が全部曲を作っていますけど、「ヤッソーやサケも曲を作ったらおもしろいのに」という意見はよくもらうし、実際に僕もそれを望んでいるんです。でもそれが今のところできないから…人格を変えているんですよ。
●アハハハハ(笑)。
キヨシ:考え方も。どっちも僕の考えだし、どっちも僕の人格なんですけど、違う人間くらいの感じで作らないと曲の雰囲気がカブっちゃうんです。
●そういうことか。
キヨシ:曲を作るとき、「よし! 3曲くらいできた。じゃあ次の曲は…」って人格を変えるんです。世の中の見え方とかも全部変える感じで。言葉使いとかも、曲によってかなり違うと思うんですけど。
●確かに「1+1は1」は、それまでの雰囲気とは全然違う。
キヨシ:冬に作った曲なんですけど、ここ最近、1年間くらいを振り返って作ったんです。この曲の出だしで歌っているように、息ができないくらい苦しい気持ちも、息をすることを忘れるくらい幸せな気持ちも、表裏一体だと思うんです。
●はい。
キヨシ:決して別の場所にあるわけじゃなくて、常に表裏一体やと思ったんですよね。例えば僕と誰かがいて、手を繋ぐことは“1+1は2”ではないと僕は思っているんです。“1+1は1”やなって。数字は増えてないけど、もっと大きくて強い1になれる。そんな人との付き合いがあったりするときに、こういう気持ちになれるかなって。
●なるほど、めっちゃピュアですね。
キヨシ:ピュアなんです(笑)。
●そうか。どっちの方向にもピュアなんでしょうね。
キヨシ:そうでしょうね。「冗談が通じない」とよく言われるんですよ。
●冗談言われても気付かずに「それなんですか?」と訊いちゃう?
キヨシ:そうそう。
●確かにそういうところはあるかも。
キヨシ:でしょ? それサブいじゃないですか(苦笑)。
●でも悪くないと思いますけど。
キヨシ:それがね、酒の席に呼ばれない原因です(笑)。「こいつすぐ真に受ける」って。
●ハハハ(笑)。話を戻すと、「1+1は1」はここ1年くらいで感じたことが曲になっていると。
キヨシ:そうですね。特にこの1年を振り返って。
●こういう曲って、歌い方も全然違いますよね。
キヨシ:でも、どの曲もそうなんですけど、歌い方って難しくて。曲の情景やイメージにバチッとハマったら後は任せる、っていう感覚なんです。後はメロディに乗せて言葉にするだけっていう。「1+1は1」を“優しく歌おう”と思って歌ったら嘘みたいになっちゃうんです。
●嘘つけないピュアな人間ですからね(笑)。続くM-5「スタンドバイユー」もすごく胸に響く曲で。これ“誰のことを歌っているのかな?”って想像しながら聴いたんですけど。
キヨシ:これは完全に親父のことを歌ってますね。僕の親父は7年くらい前の夏に亡くなったんですけど、夏が来るたびに思い出すんですよね。今作の曲作りの中で、親父のことをある意味ポジティブな気持ちで1曲に仕上げてみたいなと思ったんです。
●そう思えたんですね。
キヨシ:そうですね。「ただいま」っていう声が聞けなかったし、「おかえり」も「ありがとう」も言えなかったっていう。悔いが残っているところがいろいろあるんですよね。だからこそ、いろんな人に後悔してほしくないし、悔いを残してほしくないなと思って。だから親父に対して歌っているわけじゃなくて、今SABOTENを聴いてくれている人たちに伝えたいこと。
●なるほど。染みるなぁ。
キヨシ:ありがとうございます!
●染みるといえば、アルバムの最後を締め括るM-9「道しるべ」も、しっとりとしていて、心にジーンと染みこむような曲ですよね。
キヨシ:「道しるべ」は寂しい気持ちが半分、ポジティブな気持ちが半分っていう、どちらの気持ちもある曲ですね。なにかを諦めた気持ちもあるけど、でも前向きにっていう。例えば仲間としゃべっていても、誰かとしゃべっていてもそうなんですけど、ネガティブな気持ちがあったら結局何も前に進まないじゃないですか。この曲の歌詞に“思い出の見直しは/今はまだ早いから”ってありますけど、振り返って終わったことばかり考えているよりも、先を見て走っていきたいなって。そういうことを思ったので、曲にしたんです。
●M-6「負歴史ブルドッグ」も怒りというか、鋭い視点や強い想いが綴られた曲ですけど、何か具体的な対象があるんですか?
キヨシ:話してて思ったんですけど、僕は結局似たようなことを思っているんでしょうね。普段生活していて疑問に思っていることや、違和感を感じて“ふざけんなよ!”と思っていることが「負歴史ブルドッグ」のきっかけになっていますね。
●この曲で感じたことは、やっぱりキヨシくんの譜割りや言葉のチョイスが独特ということで。
キヨシ:ほう。
●メロディにピタッと乗せるわけではなく、単語自体が持つリズムも活かしているというか。
キヨシ:オーソドックスにした方がもしかしたらメロディとしてはいいのかもしれないんですけど、“メロディがこう動いたらおもろいな”とどうしても思っちゃうんですよね。
●でも、そういうメロディに言葉を乗せるのは大変なんじゃないですか?
キヨシ:大変です。
●ハハハ(笑)。
キヨシ:“こういうことを歌おう!”と思いついても、歌いたいことをこのメロディにどうやって収めるかっていうところで。「負歴史ブルドッグ」はめっちゃ苦労しました。
●SABOTENは今までもそういう曲は多いですよね。例えば「1+1は1」や「道しるべ」のようなストレートな曲ではそういう手法はやらないですけど、勢いがあったり激しい曲はそういう譜割りが独特な言葉使いが多い気がする。詰め込みすぎというか。
キヨシ:ハハハ(笑)。「なに言ってるかわかんない」ってよく言われます。
●「負歴史ブルドッグ」とか特にそうですね。
キヨシ:わかりすぎると痛々しいというか、キツいというか。だからちょっと濁したいんです。ほんまに好きな人だったら歌詞を読んでくれるだろうし、感じてくれると思うんですけど、そうじゃない人にも興味を持ってもらいたいと思うから、そういう独特な聴こえ方がする譜割りや言葉を意識的に選んでいるところはありますね。
●M-7「ララ」はすごく透明感があるロマンチックな曲ですよね。
キヨシ:これは物語というか、経験とかではなくて妄想から作った曲ですね。
●ほう。頭の中で物語を作っていくんですか?
キヨシ:髭が長い猫がいて。思い浮かんだことをとにかくバーッとメモったんですけど、そのネコが森の中を歩いていて、水があって、太陽はそこまでさんさんと照っていなくて、ちょっと湿気があって、霧がかかっていて。
●マイナスイオンが出ていそうな。
キヨシ:マイナスイオンがめちゃめちゃある場所ですね。そこを猫が歩いていて、色がある世界と色がない世界があって。そうやってどんどん物語を作っていったんです。
●ちょっとファンタジーですね。
キヨシ:そう、ファンタジーです。
●鋭い視点や怒りが込められた曲がある一方で、こういうファンタジーも書けるってすごいな。
キヨシ:誰でも書けるでしょ?
●いや、でも恥ずかしさや照れみたいなものが出てしまうというか。
キヨシ:それはちょっと僕も思います(笑)。“これクサいかな?”って。そう思う部分もあるんですけど、いき切らないと逆に嘘くさくなると思うから、思い切りファンタジーにしようっていう。
●さっき、「冗談が通じない」とか「すぐ真に受ける」とか、ピュアだっていう話がありましたけど、今作はそういうSABOTENやキヨシくんの人柄がかなり濃く表れている作品ですね。
キヨシ:本当はもっと器用になりたいんですよ。例えば僕、ダウンタウンの笑いが子供の頃はわからなかったんですよ。
●あ、そうなんですか。我々の世代だと「関西の笑いの象徴」みたいな感じですよね。
キヨシ:それがわかんなくて。天才と言われるような“間”とか、“返し”とか。でも子供の頃、ドリフターズは爆笑していたんです。
●はい。
キヨシ:今から考えてみたら、ドリフターズってめっちゃストレートで、いかりや長介を湯船に沈めるとか、タライが落ちてくるとか、ほんまにアホでもわかる笑いじゃないですか。でもダウンタウンが出てきて、見せ方で笑わせるというより、トークで笑わせる。そのおもしろさに僕は気づかなかったんです。
●そうだったんですね。
キヨシ:バンドマンって似たようなところがあって、才能のあるおもしろい人たちのたまり場だと思うんですよ。だからたまについて行けないんです。
●ハハハ(笑)。
キヨシ:そういうときは、“どうしよう? 底が浅い人間というのがバレていく!”って焦ってる(笑)。だから僕は、人としておもんなくて、つまらない人間なんです。
●いや、つまんないとは思わないですよ。人間味がある、人間くさい人だと思いますけど。
キヨシ:でも、“人としてはおもんない”ということを受け入れてからは、だいぶん楽になりましたけどね。
●いつ受け入れたんですか?
キヨシ:うーん、数年経ってますかね。そういうことで“どうしよう? しんどいなー”って悩むことはなくなりました。
●悩んでたのか(笑)。
キヨシ:GOOD4NOTHINGのMAKKINと2人としゃべっていたとき、「お前は人間的にはおもんない」と(笑)。
●MAKKINがそう言ったんですか?
キヨシ:はい。「でもお前はええ奴や」って。そう言われたとき“やっぱりそうなんや”って思えたんです。“俺はおもろいことも言われへんし、底も浅いし、たぶん俺は人間的にはおもんないんや”って、安心したんですよ。
●なんか…いい話だな(笑)。
キヨシ:“こいつ俺をわかってくれてるわ”って。
●今作の曲のように、きっと自分をさらけ出すことがキヨシくんにとってのいちばんの表現方法なんでしょうね。
キヨシ:そうですね。裸になれるし、自分をさらけ出すことは躊躇なくできます。“これ知られたら恥ずかしいな”って隠してることもありますけど(笑)、人間を出すことはできる。
●そういう人間っぽさが今作『MASTER PEACE』には詰まっていると思います。
キヨシ:背伸びもできないですしね(笑)。
(photo by rockey)